歯の構造と8020運動:あるある健康大百科「歯の健康編」

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歯の構造と8020運動

歯の構造

歯の構造

 歯のいろいろな部分のうち、エナメル質を侵して溶かしていくのが虫歯です。エナメル質が深く侵されると、象牙質へ、続いて神経や血管のある歯髄へと達していき、どんどん痛みがひどくなります。

 それに対して、歯肉(歯茎の部分)、歯根膜、歯槽骨や、セメント質などが侵されるのが歯周病です。

 歯の表面のエナメル質や、その下の象牙質というのは、非常に固い物質です。そして、みなさんが普通「神経」と言っているのが歯髄と呼ばれる部分で、この歯髄が炎症を起こして痛みを感じます。虫歯の場合、炎症を起こした歯髄の周りを非常にかたい物質(象牙質)が覆っているため、痛みの逃げる場所がありません。だから虫歯は非常に痛いのです。

 ところが、歯周病の場合は、歯の周りで起こるために、比較的炎症の逃げる場所があります。そのために、歯周病の痛みはさほどではなく、ついつい治療せずに放っておきがちになるのです。
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8020運動

 最近「8020運動」という言葉を耳にする機会があることと思います。これはどういう運動なのでしょうか。

 簡単に申し上げれば、「80歳までに20本の歯を残そう」、ということです。現在の日本人の寿命をおおざっぱにいえば、80歳です。しかし、歯の寿命は50年足らず。つまり、残りの人生30年余りも入れ歯のお世話にならなければいけないことになります。70歳の人で、約17本の歯が喪失、大部分の人が入れ歯を使っていることがわかっています。
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QOL=生活の質の向上

 高齢化社会と言われて久しい昨今、QOL(Quality of Life=生活の質)を高めることがいわれるようになりました。今までの医療は、どうやって生命を長くするか、そのことを中心に進歩してきましたが、与えられた姓名をいかに充実して過ごすかということにも、目が向けられ始めたのです。

 QOLには、歯の健康も大きな意味をもちます。歯の健康は、豊かな食生活、快適な対人関係など、生活の質に直接関わることだからです。そこで、1989年、当時の厚生省が成人歯科保険対策検討会を設置しました。そこで決められた目標が、「8020」、80歳まで20本の自分の歯を残そうということなのです。
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歯の保健対策

 人間の歯は普通、親不知(おやしらず)を除いて28本です。このうち上4本、下4本の合計8本までは抜けても、なんとか自分の歯で噛めるだろうということで、20本という目標が決められてました。しかし、ただ20本残っていればいいというわけではありません。抜ける歯は1本でも少ないにこしたことはなく、決して8本抜けても構わないという意味ではありません。

 また、歯は1本でも抜ければ全体に影響が出ますから、抜けた8本については、適切な治療をすることが前提です。

 この目標の達成のために、行政機関、歯科医師会、歯科衛生士などをはじめとする関連機関での保健対策などが計画されています。また、学校保健や産業保健などでも、歯科保健の位置付けを行い、歯の衛生についての教育を行う必要が生まれています。
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虫歯の最大の予防法と治療法

 「8020」を達成するためにはどうすればいいのでしょうか?その答えは意外なほど簡単です。それは「歯をきちんと、正しく磨く」ことです。

 しかし、言うことは簡単ですが、これはなかなか実行できるものではありません。これが簡単に実行できるものであれば、70歳で20本を失うなどという平均値は決して出る数字ではないのです。

 なかなか実行できない原因は二つあります。それは「続けることが難しい」ことと、「正しく磨くことが難しい」ということです。

 「正しく磨く」すなわち、正しいブラッシングこそが最大の予防法であり、治療法でもあるのです。
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