たんぱく質・糖質・脂質:あるある健康大百科「ダイエット編」

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たんぱく質・糖質・脂質

筋肉と脂肪の重さの違い

 筋肉が脂肪より重いのはまず間違いありませんが,具体的にはどれくらい重いのでしょうか? 1kgの豚の背脂とモモ肉で比較してみましょう。  共に100%の脂肪と筋肉ではありませんが,背脂は脂肪中心で,モモ肉は筋肉中心で構成されています。次に,これらを水で満たした容器に沈め,水をあふれさせ,最後にメスシリンダーで水を加え,減った水の体積を測る(加えた水の体積=背脂やモモ肉の体積)。結果は,体積が同じとするとモモ肉は背脂の約1.13倍重いことが分かりました(1.04÷0.92=1.13)。モモ肉は100パーセントの筋肉ではないし,背脂も100パーセントの脂肪ではないことを考えると,筋肉は脂肪よりおよそ1.2倍重いというのが妥当な線のようです。

 運動でダイエットを行う場合には,筋肉が増える分だけ体重の減りが悪くなるということがあり,体重の変化のみで一喜一憂するのはナンセンスであるといえます。
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タンパク質の重要な役割

 タンパク質は細胞を構成する主要な成分であり,生命を維持するための重要な役割を果たしています。タンパク質の英語名proteinは,ギリシャ語のproteios(最も重要なもの)に由来するほど,体にとって重要な物質です。

 例えば,ダイエットにおいてカロリー消費に重要な役割を果たす筋肉,また消化酵素を含むあらゆる酵素もタンパク質でできています。また,ダイエットに関係の深いインスリンや成長ホルモンなどもタンパク質でできています。ですから,ダイエット中であっても,必ず一定量のタンパク質は補給する必要があります。成人の場合,女性(妊婦を除く)は1日あたり55グラム,男性は70グラムが必要です(「第6次改定日本人の栄養所要量」参考)。

 意外に少ないと思われるかも知れませんが,これで日本人の成人男性・女性の標準的なタンパク質の必要量を摂取できると言われています。ただし,必要量を満たすということは,一般的な平均(=標準)を算出する統計学的にみれば逆に多くの日本人には多すぎるという指摘にもつながるので,そこは要注意です。

 タンパク質には,栄養が不足している時には,糖や脂肪に代わってエネルギー源になるという特徴もあります。

 よく,ダイエットを繰り返すと太りやすい体質になるといわれるのは,ダイエットで栄養が不足したときに,自分の筋肉(タンパク質)がエネルギー源として分解され,筋肉の少ない,すなわちエネルギー消費効率の悪い体になることが一因だと言われています。ダイエット中はどうしても「食べない」ことに意識が集中しがちですが,食べなければならないものもあることを知っておく必要があるのです。
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無意識に摂取してしまう脂質

 まず一つは,脂質を全く食品から摂らなければ人間は生きていけないということです。一部の脂質は,人間が生きていく上で重要な働きをしているにもかかわらず,自分の身体で合成することができません。すなわち食品から必ず摂取しなければならず,そのような脂肪のことを必須脂肪(酸)と言います。

 次に,さりとて摂りすぎてはいけないという話です。人間にエネルギーを供給する栄養素は大きく3つあり,一つは炭水化物(糖),もう一つは脂質,そして最後はたんぱく質です。

 そしてその中で,同じ量を食べたとき,脂肪は他の二つのエネルギー供給源よりもなんと2倍以上のエネルギーを供給するのです。すなわち,太りやすくもすれば,やせにくくもする原因を2倍以上もつ物質なのです。また,脂質は体内での消化のされ方と運搬のされ方が特殊で,無駄なく消化,運搬されるため,摂取したエネルギーをダイレクトに体内に溜め込みやすい性質もあります。さらに,脂肪にはたくさんの種類があり,それぞれに長所と短所があるために,それらをバランスよく摂取する必要があるのです。

 結論を言えば,ダイエット中には「極端な偏食をしない限り,脂肪は一切摂取しない」ということです。というのは,私たちは実際に脂肪を摂取するにあたって,その半分以上は「知らず知らず」に摂取しているからです。

 例えば,パンや玄米などの穀物にも3%前後の脂質は含まれていて,豆類なら10%~20%は脂質です。ナッツ類はその50%近くが脂質であり,私たちはそのような普段食べている食品からほとんど無意識に脂肪を摂取していることになるのです。
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糖質を摂取する方法

 ダイエット中だからこそ充分な糖分を摂取するといった一本調子の考えだけに縛られることなく,ダイエット中は,「でんぷんでブドウ糖の補給を行う」,それも太りにくい米や小麦,芋類などを食べることがおすすめです。

 糖質は,人間にとって活動エネルギーの主体になる重要な物質です。特に糖質のうち「ブドウ糖」と呼ばれる種類の糖は,人間が最も使いやすいエネルギー源で,他の砂糖や果糖や麦芽糖や乳糖などの糖も,体内では最終的に「ブドウ糖」になって利用されます。また,たんぱく質や脂肪と違い必須性はないので,極端に炭水化物の摂取量を減らしても健康な人ならすぐに病気になることはありません。このため,このエネルギー源である炭水化物を極端に減らしたダイエット法などが定番ダイエット法の一つとして欧米などでは存在しています。

 ダイエット中に陥りやすいのは,糖分を全く摂らないのは脳機能の低下を招くのではないかといった不安から,逆に糖分だけはしっかり摂っておこうと思い込んで,過剰摂取に走りがちになるケースが多いことです。確かに,大脳はブドウ糖をエネルギーにしており,血中の糖が不足するとその働きは鈍くなりますが,ブドウ糖の供給源は砂糖や果糖などの甘い糖だけではなく,実は普段の食事(ごはんや小麦)に含まれる「でんぷん」もその供給源なのです。

 でんぷんとは,そもそもブドウ糖が数千から数万つながった塊なので,大脳の栄養源としてはこのでんぷんを摂取していれば,すなわち大量のブドウ糖を食べていることと同じになるわけです。砂糖や果糖の追加摂取は,たとえダイエット中であったとしても全く必要がない,というのは以上の理由によります。
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