私たちを取り巻く食品環境:あるある健康大百科「ダイエット編」

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私たちを取り巻く食品環境

甘味に対する適切な味覚を取り戻すこと

 私たちを取り巻く食品産業は利潤追求のために,甘味がもたらす心地よさに重点を置いて商品を開発し,そして私たちも心地よさを求めることを最重要事項として食生活を行う傾向にあります。そのため本来健康を維持し,活き活きと活動するための「エネルギー源」であるはずの食べ物が,逆に肥満を含む生活習慣病などの「病気の原因」になっている本末転倒な状況にあるのです。

 こういったことから,穀物の甘みやフルーツの甘み,野菜の甘みなどの自然の甘みに,きちんと心地よさを感じる適度な味覚を取り戻すことがダイエット,ひいては健康維持においても,ひじょうに重要なのです。甘味(料)には,エリスリトールや人工甘味料のアズパルテーム,アセサルフェームKなどのほとんどエネルギーにならない甘味料があります。しかし,たとえカロリーがなくても甘いモノを摂り続けることで,さらに余計に甘いモノが必要な体質になっていく場合があり,結果,「余計に食べてしまうという」という行動に走るようになってしまうおそれがあります。

 また,人工的に甘く味付けされたものを頻繁に食べていると,穀物の甘みや,フルーツの甘みなどの自然な甘みでは満足できないような鈍感な舌の持ち主になってしまう場合もあります。甘みを感じるという能力は,これまで幾度となく飢餓を経験してきた私たち人額の祖先が豊富なエネルギーを効率的に探すために発達させてきた貴重な能力です。おそらく様々な味覚のうち,生きていく上で最も重要な役割を担ってきたために最も心地よい感覚が付加されているのかもしれません。
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ダイエットでなくすべき、外発反応的な食べ方

 生理的(内発的)な食欲以外の刺激で何かを食べる傾向が強いことを「外発反応性が高い」と呼びます。この外発反応的な食べ方は結果的によけいな食べ物を体に入れてしまうことになるため,当然なくしていく方がダイエットには効果的です。

 そのわかりやすい例はお酒です。日本酒やウイスキーをのどが渇いたという理由で飲む人はいないでしょう。のどの渇きからではなく心地よくなるために飲んでいるのです。

 フルコースに出てくるデザートを例にとってみてもよいでしょう。デザートはメインの料理を食べた後に出てくることからも,ほとんどの場合,空腹を満たすために食べるわけではないはずです。

 さらに,「時間でものを食べる傾向」というものがあります。例えば,昼前に急な差し入れで何かを食べて空腹感がある程度満たされたとしても,12時になればいつも通りの昼食を食べます。そのような時はまさにお腹が空いたからではなく「12時だから」という時間に反応して食事をしているのです。  さらに,「新発売」や「珍しい」または「お得」,「もったいない」という理由で食べる傾向や,「甘い」,「辛い」という刺激を求めて食べる傾向も太った人には多いようです。

 これらの生理的な空腹以外の食行動は悪いことではないのですが,度が過ぎれば当然のことながら肥満への道のりを歩むことになるし,実際に肥満者は空腹ではないときの食行動が多い傾向にあるのは事実です。甘味を食べないようにする目的の第一には,鈍感になった舌を自然な状態にもどして,太る原因となる不自然な摂食行動を修正することにあります。  そして真の目的は,太る原因となる不自然な摂食行動,つまりお腹が空いているいないに関わらず,何かを食べるという行動と,何かを食べるときに余計に食べてしまうという行動を是正することにあるのです。
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情報を固定観念化させずに享受するとは

 健康的・常識的な情報であってもそれが固定観念化するとかえってダイエットを難しくすることがあります。ダイエットにおいても同じことが言える次のような事例があります。

 かつて「1日30品目を目標に食事をしよう」という考え方が,厚生省において疾病予防や健康づくりの観点から策定された「食生活指針」の中で提唱されました。しかし,この食生活指針が平成12年3月に新たに作り直されたときに,この「1日30品目」は,完全に削除されてしまいました。

 当時新聞でも話題になったのですが,なぜこの「1日30品目」が消されてしまったのでしょうか? それは30品目にこだわるあまり,食品の過剰摂取をする人がでてきたからです。つまり,健康的で常識的であっても,断片的な情報が一人歩きすると,かえって健康に良くないこともあるということです。
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